特集 地域母子保健への取り組み
未熟児(障害児を含む)訪問依頼票による地域との連携の試み
伊藤 はま
1
,
桜井 キミ子
1
1日立製作所日立総合病院小児科
pp.638-646
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206285
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
依頼票作成までの経過とねらい
昭和54年8月,水戸で行なわれた母子看護研修会での未熟児継続看護に関する講演のなかで,東京都立母子保健院で行なわれている保健所と病院との指導を統一するための連絡方法が紹介された。しかし全国的には,まだそのような方法をとっているところは少なく,茨城県内においても,その必要性を感じてはおりながらも,なかなか実施できていないのが現状であった。
当院小児科病棟では,従来から,未熟児退院時の母親に対する育児指導は,母子関係の樹立を目的にもちながら,育児実技の習得を中心に実施してきたが,実技習得等が不十分のまま退院することもあり,その結果,母親の育児経験の個人差はあるものの,退院後多くの不安をもって生活していることが家族からの電話相談等によってうかがわれた。未熟児の場合,母子分離が長期にわたるので,退院後母親に不安感が強いことは容易に想像できる。私たちはその問題を解決するために,早急に具体的な働きかけを検討する必要を感じた。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.