特集 個別指導と集団指導
個別指導事例
未熟児家庭訪問指導について
木塚 年子
1
1麻布保健所
pp.29-30
発行日 1962年10月10日
Published Date 1962/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202667
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未熟児訪問指導に当つて留意しなければならない点を考察してみたいと思う.
最近,地区における母子管理の体系化が叫ばれているが,保健所の立場で未熟児管理を考える場合と,保健婦が家庭訪問により,個々のケースを指導する場合とがあるわけである.未熟児家庭保育指導(未熟児家庭養護)の体系において,地区の健康管理をするという大きな立場から,保健所か中枢的の役割を果すべきことには異論がないように思われるので,この観点から,地区における未熟児養護の実態を明らかにすること,すなわち未熟児届の把握状況,関係施設との連絡協調,未熟児養育行政の周知,医療関係者との未熟児養護に対する役割の分担,医師,助産婦らとの連絡協調,簡易保育器の貸出し,未熟児取扱いの指導基準の調整,保健婦の家庭訪問指導など,未熟児養護体系を確立することが必要である.以上の問題は保健所の立場で考える段階であるが,保健婦も実際活動を通して当面する問題や障害を提起して,よりよき未熟児対策のために貢献したいものである.本事例について,考察すると,把握は,未熟児届がなく出生届により訪問している.8月31日に退院していたが退院連絡もなかつたようで,退院訪問までに1カ月が経過している.把握をどのようにして早くするか.退院時の連絡方法など,協力して最善の方法を見出すための資料として役立つのではないかと思われる.
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