連載 新生児学基礎講座[臨床編]・17
極小未熟児・超未熟児の管理
仁志田 博司
1
1東京女子医科大学母子総合医療センター新生児部門
pp.796-801
発行日 1990年9月25日
Published Date 1990/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903249
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1.はじめに
未熟児の中で出生体重1,500g未満の極小未熟児および出生体重1,000g未満の超未熟児は,その未熟さ故に特殊な管理を必要とし,現在,以下に述べるいくつかの理由でNICUの中心的な問題となっている。今回はその中でも,特にその特殊性が明確に現れる超末熟児を中心に解説する。
超未熟児の発生頻度は,医学の進歩や地域による医学のレベルの違いによってある程度異なるが,現在のところ日本では約0.1〜0.2%(出生1000に対して1〜2例)である。しかし,近々その発生頻度は0.5%前後になると予想されているが,その理由は従来見捨てられていた超未熟児が医療の対象となるようになったことに加えて,近年の周産期における母体胎児管理の進歩によるところが大きい。すなわち,切迫早産や前期破水などの管理において,陣痛抑制剤や抗生物質,さらに頸管縫縮術やプロムフェンスなどが導入され,そのようなハイリスク胎児の妊娠を,生育可能な週数まで継続させることが可能になったからである。さらに,それらの超未熟児を受け入れて治療することを可能にした新生児医療の進歩が,産科医療の進歩と相まってもたらした結果である。
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