Medical Scope
腎移植と妊娠・分娩(1)
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.321
発行日 1981年4月25日
Published Date 1981/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205843
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慢性腎不全におちいってしまったら,血液の人工透析を行なっていくしか方法のなかった時代にくらべて,腎移植ができるようになり,また,今日では簡易な手技で腹膜灌流が可能になったり,その治療法は非常な発展をとげました。そして,結婚する以前に,あるいは結婚後のまだ妊娠していないときに,不幸にして腎不全になってしまった女性にも,妊娠して子供をつくることが夢ではなくなってきたのです。
日本では,今のところ7名の女性が腎移植をうけたあとで妊娠して,分娩しています。いずれもよい結果に終っています。私たちの北里大学病院でも,今年になって,アメリカで腎移植をうけた外人の女性が出産し,可愛いい女の子をつれて帰っていきました。そこで今月は,腎移植と妊娠・分娩についての話題を考えてみることにしました。
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