Medical Scope
慢性腎不全女性の妊娠・分娩(1)
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.1093
発行日 1998年12月25日
Published Date 1998/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903483
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現在,日本には約16万人の慢性腎不全による透析を受けている患者さんがいます。産婦人科の外来にはときどき透析をしている女性が診察に訪れますが,そのほとんどがホルモンの分泌異常のための月経障害,卵巣機能不全の方々です。ですから,これらの女性が妊娠することは非常に少ないのですが,妊娠したとしても分娩が成功して生児を得るというのがとても厳しいと以前から指摘されていました。
この度,1998年3月に「腎と妊娠研究会」の第8回目の会合が東京女子医大で開催され,当大学の泌尿器科学教室東間教授から全国調査の結果が発表されました。1981年に行なわれた以前の全国調査では,9,912例の女性の透析患者さん中78件の妊娠がありましたが,このうち分娩に成功したのはわずか5例で,たったの6%しかありませんでした。あとはすべて不成功に終わっています。
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