ケース・レポート
腎移植患者の分娩を介助して
木下 英子
1
,
宮中 文子
1
,
野村 文江
1
,
古川 恵子
1
1京都府立医科大学病院・産科病棟
pp.744-751
発行日 1977年12月25日
Published Date 1977/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205306
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1.はじめに
腎移植した人が分娩したのは,1963年,Murrayの報告による同系腎移植者の出産例が初めてであり,現在,登録された症例だけでも,父親が腎移植者である症例が68例,母親が腎移植者である症例が64例と報告され,ちなみに腎移植の全症例では23,919例と言われている。ただし日本では,1976年,根本らによって報告された妊娠3か月で人工流産した例のみで,本症例は分娩例の最初と思われる。
本症例は腎移植前に第1子を分娩しているが,腎移植後初めての妊娠とあって,本人及び家族の心配も大きかったが,1977年2月21日,正常分娩し,母児とも異常なく社会復帰したので,その看護について報告する。
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