ケース・レポート
子癇発作後入院し死産分娩した里帰り分娩の一症例
坂本 由紀子
1
,
田中 美智子
1
1熊本大学医学部付属病院産科棟
pp.390-397
発行日 1979年6月25日
Published Date 1979/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205560
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1.はじめに
近年,妊娠に対する知識の普及,妊婦管理の向上により,妊娠中毒症,特にその重症型に減少傾向はあるが,なお妊産婦死亡の第1の原因となっている。当科では昭和52年度分娩総数456名中,妊娠中毒症は51名であり,重症型妊娠中毒症は18名とかなり高率である。これは周辺の医療機関からの紹介が多いためでもある。これら他の医療機関からの緊急入院の場合は,重篤な状態がほとんどで,危く一命をとりとめ生児を得て退院することもあるが,死産に終わる場合も多々みられ,妊娠中,入院中の保健指導はもちろんのこと,退院後の保健管理の必要性を痛感している。今回,私たちは,里帰り分娩で他医より子癇発作後緊急入院し,死産分娩をした患者の看護をする機会を得たので報告する。
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