ケース・レポート
里帰り分娩の一症例
保母 豊子
1
1菊地医院
pp.30-35
発行日 1973年4月1日
Published Date 1973/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204506
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はじめに
私の勤めておりますところは,埼玉県でも県北に当たり,人口6万3千を有する昔の宿場町,深谷市内の高台にあります。深谷市は数年前までは農業が大部分で,高崎線の北側に商店が並んでいるだけの町でした。ところが近年.東京まで1時間半と比較的近距離にあるということで,この町にも工場が誘置されました。その結果,他県からの転入者が増加し,私たちの医院の妊婦さんにも工場関係の方々がふえてまいりました。また,一方では東京およびその近郊に嫁いでいく人もおおく,そのような人々が里帰り分娩されるケースもふえてきました。
ところがこの里帰り分娩に異常分娩のケースがおおいことに気がつき,特別の注意をむけなければならないということを最近感ずるようになりました。そこで当院における里帰り分娩の実態と1つのケースを紹介し,ご参考にしたいと思います。
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