研究・調査・報告
妊娠中毒症患者を看護して
阿久津 孝子
1
1栃木県小山市立病院
pp.386-389
発行日 1979年6月25日
Published Date 1979/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205559
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1.はじめに
妊娠中毒症は,総分娩数のおよそ5%,地域にょっては15%とも言われている。当院では過去4年間の検診中,浮腫のみ10%,高血圧のみ5%,蛋白尿のみ20%,全症状を伴ったもの10%で,全国平均の約2倍であった。そのため,当院では妊娠中の保健指導に力を入れ,毎週母親教室を開設して指導に当たっている。
妊娠中毒症は,ご承知の通り妊娠することにより,高血圧,浮腫,蛋白尿の3症状を主としているが,妊娠中胎内死亡,早産,低体重児,未熟児出生をきたし,分娩時にも弛緩出血,子癇発作,胎盤早期剥離などを合併し,母児ともに危険にさらされる。さらに重症中毒症においては,妊娠中絶後あるいは分娩後にも,種々の後遺症を残し,長期にわたって治療を続けなければならない。そのうえ妊娠中毒症は,今日なお原因が不明なところから,ひたすら予防に重点をおくことが大切である。
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