特集 急増する里帰り分娩
"里帰り分娩"考—助産婦として人間として
三浦 育子
1
1山口県立衛生看護学院助産婦科
pp.411-413
発行日 1978年7月25日
Published Date 1978/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205401
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■"単なる習慣だから"ではなく……
いわゆる里帰り分娩に対する専門家の基本的立場は例外なく否定的である。妊産婦の継続管理ができないことの不利は明瞭であり,夫婦・親子関係におよぼす悪影響も決して看過できないからである。
私もそれを認めるし,機会が与えられれば立場上,一般論として同様の主張をすることになるであろう。ただ,里帰り分娩をする人たちと同じ条件下にあれば,私自身あっさりと里帰り分娩をしそうな予感があるので,私の職業的主張は,"たてまえ論"になってしまい,たいした説得力をもたなくなる危惧があることを告白しておかなければならない。
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