研究
双胎分娩に起つた子癇の症例
山中 小梅
pp.18
発行日 1961年3月1日
Published Date 1961/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202083
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年齢25歳の初産婦,体格,栄養共に,普通.既往症なく,初潮,15歳,月経痛なく,正調,28日型.結婚後,1年2カ月目に妊娠したもので,私が診察した時は,終経より計算して,9カ月の終りで,まだ,分娩予定日までは,後1カ月もある時で,それまでは,高知市に在住し,度々医診も受けていたが,異常もないと言われたので,家庭分娩を望み,2日前に帰つて来たと言う.
外診:乳房は正しく肥大し,圧縮すれば初乳ありて,授乳に適応,下肢に軽度の浮腫を認め,子宮全体は非常に大きく,緊張し,妊娠月数に適応せず,子宮底は肋骨下縁に達し,子宮高30cm,腹囲90cm,児頭は稍々骨盤腔に進入せるも,移動して小さい.背部や,小部分は判明し難く,左側に大きく,広く,柔軟性のもの触知,羊水過多症にみる浮遊性や波動もないが,呼吸困難を訴えている.
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