Japanese
English
産科 中毒症
晩期妊娠中毒症について
Toxemias of late pregnancy
福田 透
1
Toru Fukuda
1
1信州大学医学部産科婦人科学教室
pp.507-512
発行日 1962年7月10日
Published Date 1962/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202643
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Ⅰ.緒言
最近母性の保健指導の必要性が一般にも認識されつつあるが,その重要性は母性自体の健康の保持増進のみならず,次代の子孫の強化と言う面からもゆるがせにできない大きな問題であり,究極的には国民全体の福祉と保健の基本問題と云つても過言でない。実際的にも妊娠母体が虚弱であつたり,或いは各種の合併症が存する時には妊娠・分娩経過が不良な事が多く,又未熟児・虚弱児の主因となる他,流早死産等の可能性も強い事は従来よりも屡々強調されている所である。この様な大きな意義を有するにも拘らず,遺憾ながら我が国の母性衛生の現況は諸外国に比して決して満足すべきものとは云い難く,社会的条件を始めとして改善さるべき多くの余地が残されている。
幸い未熟児対策に次いで母性衛生の面が漸次重点的に採りあげられ,諸対策の実施が計画されている事は我々としては真に喜ばしき限りである。
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