薬の臨床
妊娠中毒症および妊娠中毒症後遺症に対するグルタチンの使用経験
海野 洋
1
,
臼井 哲郎
1
,
吉田 泰男
1
,
浜田 文男
1
,
謝 錦城
1
Hiroshi Kaino
1
,
Teturo Usui
1
1横浜市愛児センター
pp.583-589
発行日 1971年6月10日
Published Date 1971/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204432
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はじめに
妊娠合併症のうち妊娠中毒症は,その表現の複雑性のため種々な研究発表がなされているが,その本態および成因ともに明らかになつておらず,ひいては決定的の治療の出現は期待できない現状で,従来の種々の薬剤も単に対症療法としての域を出ず,いかにして症状を静止せしめるかまたは早期に予防し得るかを暗中模索している有様である。
N2N-CH-CH2-CH2-CO-NH-CH-CO-NH-CH2-COOH | | COOH CH2-SH γ-L-Glutamyl-L-cysteinylglycine 今回われわれは上記のごとき構造を示す,還元型グルタチオン製剤であるグルタチンを得たので,妊娠中毒症および妊娠中毒症後遺症に使用し,諸検討を加えてみたのでここに報告する。
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