知っておきたい産科免疫学の話・10
妊娠中毒症と免疫—妊娠中毒症の引金はなにか
竹内 正七
1
,
高桑 好一
1
1新潟大学医学部産婦人科
pp.78-81
発行日 1988年1月25日
Published Date 1988/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207308
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はじめに
妊娠中毒症は,ご存じのとおり,妊娠に伴い発症してくる疾患で高血圧・蛋白尿・浮腫を3主徴とする症候群ですが,その原因には不明の点が多くあります。また古くからいろいろな説が唱えられており,「学説の疾患」とも呼ばれています。
これまでのシリーズで妊娠と免疫のかかわりについてお話ししてきましたが,産科領域で非常に重要な疾患であるこの妊娠中毒症にも免疫が関与しているのではないかということが,最近注目されています。もちろん,免疫反応だけで妊娠中毒症の発症原因や病態のすべてを説明することはできませんが,その発症のメカニズムの1つとして免疫反応の関与が考えられています。そこで今回は妊娠中毒症の病態と免疫反応とのかかわりについてお話ししたいと思います。
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