特集 妊娠中毒症--病態理解から看護へ
ケースレポート
重症妊娠中毒症患者を看護して
三神 洋子
1
1公立葛南病院産婦人科
pp.678-682
発行日 1984年8月25日
Published Date 1984/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206499
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はじめに
妊娠中毒症の発生しやすいハイリスク因子は,遺伝的高血圧素質,極端な若年や高年,肥満やるい痩,初妊婦または前回妊娠中毒症の経産婦,多胎妊娠,本態性高血圧症・慢性腎炎の合併,糖尿病などであるといわれている。私たち周産期管理の一端を担っている助産婦も,妊婦の異常の早期発見・予防に努め,母児の安全に力を入れなければならない。当院でも,妊産婦に対し,個別指導・集団指導を実施して,妊娠・分娩・産褥期を通じて円滑に過ごせるようにと努力している。
昭和58年4月〜昭和59年3月までの当院の分娩件数は544例であり,そのうち妊娠中毒症例は27例(4.9%),重症例は3例(0.5%)で,この3例は他院紹介患者であった。今回は,その重症例のなかの1症例を紹介し,入院から退院までの看護の経過をまとめてみた。
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