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医療が医師と患者の個的な場から医療チーム対患者といった集団的場に移り,そのために新しい医療関連職が生れつつあることはすでに周知の事実です。米国ではThe National Academy of Sciences' Board on Medicine:NASBMが高校卒後,2-8年の教育を終了した各種の医療助手Physician Assistant:PAを定義していますが,PAは3つの形に区別されます。A型は医療全般に関連し,ニードのもっとも高い田舎では一般医の働きも行ない,多くは衛生兵出身で特別な教育を受けたものてす。B型は整形外科・病理・眼科・外科などの訓練された技術を用いて病院やグループ・プラクティスのチームの一員として専門医と共に活動するものです。C型はA,Bより低い教育を受け独立で行なう領域の少い単純な医療助手です。看護婦は常に例えば直接の患者のケァー,社会心理的状況を知るためのカウンセリングなど医師協力者Physician Associate:Ph. Ass. の新しい概念に含まれる仕事を行なってきました。看護婦がアシスタントでなく,協力者associateであることは,昨年1月米国看護協会The American Nurses' Association:ANAの政策声明でとくに強調されたところです。すでにご紹介したソ連のFeldsherの経験,チーム・プラクティスの傾向,医師不足などから准医師という職種が文明国でも真剣に検討実現されつつあります。
米国の多くの州では小児科看護婦臨床家Pediatric Nurse Practitioner:PNPに小児科学会が免許を与えており,コロラド州では全く新しい職種としてChild Health Associate:CHAが誕生し,法律により18種の薬剤投与も許されています。前者は正看に4か月〜1年,後者は大学2年の基礎教育,2年の小児科学,1年のインターンの教育が課されています。
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