海外の産科医療事情・1
米国の助産婦1
唯 正一
1
1唯産婦人科
pp.67
発行日 1971年9月1日
Published Date 1971/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204218
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はじめに
専門細分化する医療,総合拡大する医療,そのおのおのにグループ・プラクティス,ティーム・プラクティスがうまれ,医療費は社会化の道を辿ります。世界各国に共通した現代の医療の姿です。
わが国の産科医療でも施設分娩は逐年増加し,病院診療所分娩が全分娩の75%を占める現況です。分娩を中心とする産科医療の場は,個人から集団に移ったと考えられます。しかしこの場を支える人的資源をみると,産科医数はここ数年ほとんど不変,助産婦数は減少一途,その減少を埋める新助産婦は昭和45年,5年前に比し倍増したとはいえ,年間685名にすぎず,拡大する産科医療の要求にとうてい応えられるとは考えられません。加えて医療費社会化では社会保険分娩料現物供付,児童福祉法措置入院分娩,妊婦公費検診制度などが相次いで起こり,後二者により事実上の患者負担ゼロ分娩が次第に実現されつつあると考えられます。この現実,医療の方向,国家的要請,医療の質の維持向上などから産科要員の必要数は?その確保は?その配置と機能は?等々私ども産科関係者にとってきわめて重大な関心事です。
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