婦人ジャーナル
夫の親類とつきあう法
山主 敏子
pp.57
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204315
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女性が結婚して悩むこと--といったら,それは夫のこと子どものことと誰しもが考えそうだが,実はそうではなくて,最大の心の重荷は一に姑,二に小姑,そして三には夫の背後にある親族とのつきあいだという。毎号婦人雑誌に寄せられる読者の身の上相談がその証拠で,だからこそ婦人雑誌もくり返し嫁と姑の問題を特集することになるのであろう。私自身は若いうちに両親を失った人と結婚したので舅姑の味を知らない。話に聞けばたいそう人柄のよい人たちであったようだから,存命であってもうまくいったかもしれないと思うが,しかし至らない処だらけの自分を省みれば,どうであったか分らない。義理の弟妹とのつきあいはたっぷり味わって,いまや自分が姑とよばれる身になった。
いったい自分はいい姑だろうかと,日毎に反省をくりかえすこのごろである。長い年月ちがった環境で生きてきた人間が,家族になるということは,たいへんなことである。主婦と生活の2月号に"夫の親族との不和"という3人の主婦の体験談がある。Yさんは義妹と姑と3人でお茶をのんでいた時,義妹が嫁ぎ先の姑のことをさかんに悪く言いはじめた。Yさんはついそれに合づちをうってしまった。するとそれを聞いていた姑が,"あんたは姑というものをそういう風に考えているの"と言ってプイと席を立ってしまった。それ以来Yさんと姑との仲が気まずくなったばかりか,夫の親類たちみんなからわるい嫁のレッテルをはられるようになったという。
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