海外の産科医療事情・2
米国の助産婦・2
唯 正一
1
1唯産婦人科
pp.67
発行日 1971年10月1日
Published Date 1971/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204240
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米国では助産婦の教育は時を失せず専門医の助力を要求できるように妊婦の正常からの逸脱に重点がおかれています。したがって,あくまで専門医をリーダーとする産科ティームの一因としてのみ助産婦は活動できるものであり,助産婦が助産業務につかない理由のひとつに助産婦が働く場に産科専門医がいないことがあげられています。米国でも助産婦に自宅分娩をやってくれとの声がありますが,母性センター連合Maternal Centre AssociationのLubic女史は現代はもはや安全性の点からその時代ではなく,自宅分娩希望者には家庭中心の産科医療を行なっている病院での分娩を勧めています。
助産はあくまで看護の延長と解されており,助産婦にはほとんどの州で看護に関する法律が準用されまた米国で常に問題となる医事紛争の保険も看護婦と同一のようです。1名の助産婦の年間取扱い分娩数はNew York市その他でだいたい40〜50です。助産婦の年俸は,Mississipi,Los Angelsなどでだいたい,10000〜15000ドルであり,分娩料はNew York市で産科専門医の半額,産科を行なう一般医の4分の3です。
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