連載 MEDICAL SCOPE
胎児の児頭計測
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.60
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204317
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これまでの胎児の体重推定法
妊娠中の胎児の体重を推定する方法は以前からいろいろと考えられていました。古い産科学の教科書には「榊の公式」という,胎児の月齢から計算する,胎児の体重算定法がのっているのを皆さんは記憶していることでしょう。また身長では「Haase(ハーゼ)の公式」という,胎児の身長を算出する方法もありました。これらはすべて,妊娠月数に何かを加えたり,かけたりして,妊娠月数から計算する方法でしたので,妊娠の月数の標準通りに発育していない症例や,妊娠月数の正確なところが分らない場合には算出できないという欠点がありました。また,私たち,産科の管理者は,そんなときほど胎児の大きさを知りたいのではないでしょうか。そこで近代産科学では,いろいろの方法を応用して,現在妊娠中の胎児の月齢が不明でも,現在体重がどのくらいかを推定する方法を研究してきました。今日では,これからお話しするような技術を使って,非常に正確に体重が推定されるようになりました。
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