今月の臨床 IUGR診療
新しい胎児診療の試み
19.胎児血圧の計測
森 晃
1
,
森 蘭子
1
,
武田 佳彦
2
Brian Trudinger
1
1Fetal Welfare Laboratory, Department of Obstetrics & Gynecology, University of Sydney at Westmead Hospital
2東京女子医科大学母子総合医療センター
pp.312-313
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901651
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これまで,超音波による診断技術の進歩は顕著であり,とくに,ドプラー法の発達により心腔内,血管内の血流速度波形の解析が試みられてきた.循環動態を解析するためには,血流量や血圧などの情報が,必要である.しかしながら,拍動に伴う血管径の正確な測定が不可能であったために,血流速度波形解析による循環動態の推測が行われてきた.
これまで,拍動に伴う血管径の測定は(血管径拍動波形),超音波微小変位測定法を用いて,頸動脈などの表在血管の測定が試みられてきた1).さらにわれわれは,妊娠婦人の腹壁からの胎児血管径(深部領域)の測定、胎児心拍数が成人に比較して2〜3倍も速いため高データサンプリングが可能な測定装置を開発した。これまで、スウェーデンのグループも胎児血管拍動波形の測定を報告しているが低いデータサンプリングによるものであった2).血管径拍動波形は、侵襲的方法による血管内圧曲線と比較すると概ねその線形性が維持され血管径変化が内圧変化とみなされることも明らかにされている3).
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