母性保健特集講座 分娩の異常
児頭・骨盤の不均衡について
上田 英子
1
,
角倉 絢子
1
1大阪赤十字助産婦学校
pp.22-25
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202770
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はじめに
分娩介助に当たって助産婦がつねに留意しなければならない問題は,いかにすれば母児両者の安全を期することができるかにある.分娩はきわめて巧妙な自然の力によって行なわれるとはいえ,予想外の経過をたどることがしばしばある.そのとり扱いについての方針は,精密な検査によってまた定期的な分娩経過の観察によって,起こりうべき難産を予防するとともに,難産となった場合の処置法に熟知し,母児の危険を最小限にとどめることにある.
分娩の難易を左右する主要な因子として,児頭,産道,娩出力がその基本的要素となっているが,とくに骨盤が分娩障害の原因になることに着目されたのはかなり以前からであった.
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