講座 分娩に関する諸診断法・4
児頭と骨盤の適合について
澤崎 千秋
1
1京都府立医大
pp.12-17
発行日 1955年2月1日
Published Date 1955/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200785
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I.いとぐち
分娩現象は,胎兒が産道を通つて娩出されることであるのは,今更いうまでもないことであり,その難易は主として胎兒部分のうち最も大きくてしかも固い兒頭が,産道のうち特に固くしかも狹い骨盤に適合しているか否かによつてきまることも,既に常識となつている.
従つて,ここに今更新しくのべるまでもないことであるが,この適合性を如何にして診断するかということに思をいたすとき,どうしてもその前提として適合とはどのようなことを意味するか,従つてそれとうらはらの関係にある不適合とはどういうことなのかをまず検討してかからねばならないことに気がつく.そうしてからでなければ後述のように診断がピントはずれになるからである
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