明日への展開 ADVANCED TECHNOLOGY
I.診断・検査技術
胎児血流計測
村上 雅義
1
,
千葉 喜英
1
Masayoshi Murakami
1
,
Yoshihide Chiba
1
1国立循環器病センター周産期治療科
pp.234-237
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206965
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胎児情報の中でも,循環動態の変動を知ることは意義深い。それはガス交換としての胎児呼吸情報は完全に循環動態の情報に含まれるからであり,循環動態変動の一つである胎児心拍数の連続記録がfetal distressと呼ばれる胎児のhypoxiaの診断ならびにwell-beingの評価に充分な成果を上げていることより明らかである。しかし心拍数以外の胎児循環動態の情報となると非常に乏しい。とくに胎児の血流量や血流速度に関する情報は,その計測に侵襲的な検査が要求されたため,Assaliらをはじめとする動物実験1)の結果より推察するしかなかった。われわれはパルス・ドプラー法を実時間超音波断層法のガイド下で使用することにより,非侵襲的に胎児血流量,血流速度を定量計測することに成功しつつあるのでこれを中心に述べることにする。
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