現代のカルテ
陽の目をみない秩序保持法/依然ナゾの辻政信氏の行方
T. T.
pp.111
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202324
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陽の目をみない秩序保持法
去年の7月,池田首相が内閣改造を行なつた際,最も注目されたのが,いわゆる実力者内閣という組閣形式で,各派閥の親分連をズラリと並べ,近年にない強力な内閣が出現するものとみられていた.したがつて政局は安定し池田体制は万全というのが,一般的な見方だつたのである.
ところが政局は,必ずしも実力者内閣なるがために磐石というわけにはまいらないのが,政治というものの不思議な点で,早くから懸念されていた「実力者が多いから,オレがオレがと勢力を競う結果,かえつて首相が思い切つた政策を打ち出すことができないのではないか」という悪い面だけが,浮き彫りされた格好である.
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