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春の陽
pp.72
発行日 1960年4月10日
Published Date 1960/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202080
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桜の花がほころびようとしては,また寒い日がやつてくる.咲こうとしては足ぶみしているような季節.風はつめたいが,春の陽は暖かい.訪問にもようよう外套をぬいで身がるになつた.暑くなく寒くなく保健婦には今がよい気候であろう.
東京にはめずらしい坂道,その上につづく石段.上りつめるとケースの家がある.食事が終つて午後1時,保健婦が訪問に出かける時間.陽は中天にある.何となくのどかな風景ではあるが,見下せばぎつしりとひしめく家並ばかり.都会だつて保健婦の仕事はいき渡つているわけではない.
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