講座
婦人の労働と性器下垂竝びに産前の労働と胎児発育,分娩経過について
斎藤 一
1
1財団法人労働科学研究所
pp.10-16
発行日 1955年8月1日
Published Date 1955/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200897
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はしがき
始めにおことわりしておかなければならないことですが,私は産婦人科の専門医ではなく,労働科学という分野で研究に携つている者です.婦人の工鉱業,農業方面での労働が性器障害や妊娠,出産,哺育という毋性機能にどんな影響を及ぼしつつあるか,また過去において及ぼしたか.どんな種類の労働か,あるいはどんな労働の条件が,婦人の正常な性機能の発現を阻ばむという上で問題となるのか.こういつた点は,現実に重要なことと考えます.
婦人労働を労働科学という立場から研究しているわれわれのとりあつかわねばならない問題は,他にもいろいろ重要なものがありますが,上に記したような問題も,また軽視できません.このような問題の一つですが,最近われわれが研究した「婦人の重量物取扱作業と子宮下垂」を中心として少し書いてみましよう.
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