講座 分娩に関する諸診断法・2
分娩進行程度の診断
小畑 英介
1
1浜田病院
pp.16-20
発行日 1954年11月1日
Published Date 1954/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200725
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妊娠の末期に,何日頃分娩が開始するかを診断することは仲々難しい.我々はこの場合内診所見による子宮腟部の短縮具合と子宮口の開大程度を考慮して半ば"かん"によつて大略の見当をつけている.したがつて診断の外れることも度々ある.然しこの問題については前号に述べられてあり,今回の課題ではないので,茲には既に分娩の開始した産婦を診療した場合,その分娩進行程度を如何にして診断するかという事柄について述べたいと思う.
分娩進行中の産婦本人又はその家人から,「何時頃生れるか?」という質問は度々受けることであり,又産婦も家人もそれを最も気にしている樣である.これに対する答も可成り難しい問題ではあるが,次に述べることをよく理解し,経驗を積むならば,分娩発来時期の診断よりは遙かに正確な診断を下し得ると思う.
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