講座
妊婦診察上の注意—(その3)
木下 正一
pp.22-25
発行日 1954年11月1日
Published Date 1954/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200726
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視診の注意
視診は,文字の示すとおり,診断に必要な所見を眼でとらえる.ことである.私たちは眼を開いていさえすればいつも妊婦が見えているものだから,そのために,かえってうっかりしてしまつて,大切な視診の所見をウワノソラで見逃してしまう場合が少くない.
視診の機会は,妊婦が訪れてきたその時から,妊婦が辭しさる最後の瞬間まで自由に与えられているわけである.これを活用するか,慢然と逃がしてしまうかによつて,診察の所見は豊富にもなるし,貧弱なものともなるのである.
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