補習講座
女性の生理(2)
岩田 正道
1
1社会福祉法人三井厚生病院
pp.24-28
発行日 1953年3月1日
Published Date 1953/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200300
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正常月経
月経とは一定の時日をおいて規則正しく繰り返し現われる子宮出血を云うのであるが,月経の間隔,毎月経の持続日数並に量,及び月経時に伴う身体変調の種類,程度等は人々によつて実に千差万別であつて,各人が夫々特有の月経型を持つている。従つて正常月経に一定不動の標準とてはなく,また正常月経と異常月経との間にはつきりとした界をきめることも困難である。即ち正常月経と云うものは次に述べるような一定の幅をもつた規格,即ち枠にあてはまつたものであるが,さりとてこの枠から少し位外れたとて直に異常月経とも認定し難い。そのため明かな正常月経を自ら異常月経と思いこんで徒らに惱む婦人も多いし,反対に疑いのない異常月経を單に身体の調子によるのだろう位で放つておく人も少くない。「月経は婦人の健否を知る最良の鏡である」と云われる位に,これが順否を正しく判知することが自身の健否を知る上に極めて肝要であるは云う迄もない。
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