講座 補修講座・1
女性の生理
岩田 正道
1
1社会福祉病院三井厚生病院
pp.22-25
発行日 1953年2月1日
Published Date 1953/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200273
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女性の一生涯を観察すると,これをかなりはつきりと区別できる次の5時期,即ち1乳,幼,小兒期2思春期3性成熟期4更年期5老年期
に区分することが出来る。かく5時期に区分しうるのは,女性生活に最も緊密に関連し,云わば生活現象の根幹とも云うべき卵巣内分泌機能の存否に基くのであつて,男性ではかような区分を認め難く,殊に更年期と見做すべき時代がないとされている。尤も近頃米国では男性にも更年期と認むべき時代があるが,女性の如くその年代が略一定していない上,この際の身心変化が女性のそれの如く判然としないのだと説く者がある。多くの臨床観察はこの説を一應首肯しうるかと考えられないこともないが,果してこれ等の不定変化を女性の更年期と同じと見てよいかは今後の研究に俟つほかなく,さしあたりは男性には更年期と称すべき時代が認められないとしておく。
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