Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ぼくのお日さま」—この20年における性的マイノリティへの眼差しの変化を透視する
二通 諭
1,2
1札幌学院大学
2札幌大谷大学
pp.1343
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203295
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「ぼくのお日さま」(監督/奥山大史)は,新進監督の登竜門として知られる今年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門の出品作品.上映後のスタンディングオべーションは8分間に及んだという.主要登場人物は,北の田舎町で暮らす吃音のある小学校6年生のタクヤ(越山敬達),フィギュアスケートの練習に励む中学校1年生のさくら(中西希亜良),リンクの管理とコーチで生計を立てている元フィギュアスケート選手の荒川(池松壮亮).
この地の男児は,暗黙のルールのごとく,夏は野球,冬はアイスホッケーのチームに所属する.いずれもタクヤにとっては苦手なスポーツだ.ある日,タクヤは,アイスホッケー練習後のリンクで少女・さくらの練習を目にする.ドビュッシーの「月の光」に合わせた華麗な動きに魅了されたタクヤは,無人のリンクで,ホッケー靴のままフィギュアの技に挑む.それを見ていた荒川は自身のフィギュア用スケート靴を貸し,タクヤの練習にも付き合うこととなる.
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