巻頭言
棘上筋断裂の手術を受けて思うこと
篠田 裕介
1
1埼玉医科大学病院リハビリテーション科
pp.105
発行日 2024年2月10日
Published Date 2024/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203034
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私は中学1年からテニスを続けている.医者になって10年くらい離れていた時期もあったが,その後は週1回スクールに通い続けている.ちょうど50歳になったところだが,ボールを追いかけるスピードはまだ衰えていないと自負している.テニススクールで同年代のスクール生が肩を痛めていたが,俺は大丈夫と思っていた.しかし,スキーで転倒したことで右棘上筋を断裂し,昨年手術を受けることになってしまった.外傷だから仕方ないと思ったが,MRIをみると腱板付着部に小さなのう胞が多発しており,切れるべくして切れたことがわかり愕然とした.やはり,年齢とともに確実に身体は傷んできている.
全身麻酔の手術だが,関節鏡で出血もほぼゼロだろうし,術後すぐに元気になるだろうと思っていたが,だるさや疼痛のため術後数日間は書類仕事もできなかった.低侵襲とはいえ全身麻酔での手術は大変であること,そして,主治医への感謝,手術のありがたさだけでなく,看護師さんのやさしさ,リハビリテーション治療の重要性を身をもって知ることができた.担当してくれた作業療法士は,緊張が強い筋をほぐし,可動域訓練や筋トレをしてくれたが,毎回治療前後で明らかな可動域の改善がみられた.現在,術後1年半だが,何の問題もなくテニスを続けることができているのは,皆様のおかげと心から感謝している.
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