整形外科手術 名人のknow-how
腱板断裂性肩関節症に対する棘下筋回転移行術
安里 英樹
1
Hideki ASATO
1
1首里千樹の杜クリニック
pp.1118-1121
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001413
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大断裂・広範囲断裂例で腱板一次修復を試みても修復部での緊張が高いため,術後,再断裂を生じることが多い。これ対して,Patte1)は,腱板大断裂に対し棘上筋,棘下筋を前進移行する術式(Patte法)を1990年に報告した。しかし,Warner2)は屍体標本の研究にて,棘上筋を約1cm移動させた場合,肩甲上神経は肩甲上切痕で圧迫・障害され,棘下筋を3cm以上移動させた場合,棘下筋の神経枝が損傷を受けると報告した。われわれは,一次修復困難な広範囲腱板断裂に対し,修復部に強い緊張がかからず肩甲上神経麻痺を生じさせない方法として,棘下筋回転移行術を考案した。
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