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【要 旨】
目 的:長期(7年以上の経過観察期間)において,棘上筋の脂肪変性は重度(Goutallier脂肪変性がstage 3か4)であるが,棘下筋脂肪変性が軽度(Goutallier脂肪変性がstage 1か2)である腱板広範囲断裂の肩(低度広範囲断裂肩と定義)にパッチ法と部分修復術を行った症例がそれぞれどのような経過をたどるか,臨床成績,画像成績をもとに比較・検討することである.
対象および方法:24例のパッチ手術群(PG群)と24例の部分修復群(PR群)を評価した.2群はConstantスコアを主要な臨床評価に使用しMRIで腱板治癒状態を評価して,術後中期(術後平均4年以下)と長期(最小7年以上)で比較・検討した.棘下筋腱の再断裂の危険因子について有意なものがあるかロジスティック解析を行った.
結 果:低度広範囲断裂肩に部分修復術を施行したPG群が平均経過観察期間中期44.3ヵ月,長期95.1ヵ月,PR群が平均経過観察期間中期35.6ヵ月,長期99.3ヵ月であった,平均Constantスコアは中期経過観察時,長期経過観察時PG群,PR群とも有意に改善した(PG群,PR群:中期79.1,69.9,p=0.001)[PG群,PR群:長期76.0,65.3,p=0.006].平均Constant筋力スコアは中期,長期ともにPG群がPR群に有意に勝っていた(中期,14.6 vs. 8.5,p<0.001)[長期13.1 vs. 8.3,p=0.001].ロジスティック解析ではPR治療群のみが棘下筋腱再断裂の有意な危険因子であった(平均オッズ比3.545,p=0.043).
結 論:低度広範囲断裂肩へのパッチ手術,部分修復術ともに有意な改善をしたが,最終経過観察時ではConstantスコアはPG群がPR群に有意に勝っていた.
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