Japanese
English
特集 脳卒中治療の進歩
脳卒中リハビリテーション診療の進歩
Progress of stroke rehabilitation
角田 亘
1
Wataru Kakuda
1
1国際医療福祉大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, International University of Health and Welfare School of Medicine
キーワード:
脳卒中
,
stroke
,
脳卒中急性期リハビリテーション診療の指針
,
脳卒中治療ガイドライン2021
,
脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕
Keyword:
脳卒中
,
stroke
,
脳卒中急性期リハビリテーション診療の指針
,
脳卒中治療ガイドライン2021
,
脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕
pp.143-150
発行日 2024年2月10日
Published Date 2024/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203041
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はじめに
脳卒中に対するリハビリテーション診療は緊急入院直後の急性期から,回復期を経て生活期に至るまで“シームレス(継ぎ目なく)”に提供されることが望ましい.脳神経外科や脳神経内科による脳卒中の急性期治療を「脳の損傷を少しでも小さくするための治療」と位置付けると,脳卒中リハビリテーション診療は図として示すごとく「(脳の損傷によって生じた)神経症状を回復させるリハビリテーション訓練の提供(例えば,片麻痺に対する歩行訓練,失語症に対する言語訓練など)」から「症状が残存しても日常生活・社会活動が行えるようにするリハビリテーション訓練・支援の提供(例えば,下肢麻痺に対する短下肢装具の装着,上肢麻痺に対する自助具の使用,嚥下障害に対する胃ろう造設,訪問介護などの介護保険サービスの利用,家屋改修など)」へと進めていくことになる.
2023年においてはまず5月に,本邦初となる「脳卒中急性期リハビリテーションの指針(以下,急性期リハビリテーションの指針)」1)が日本脳卒中学会から発表された.次いで8月には「脳卒中治療ガイドライン2021(以下,GL2021)」2)を改訂した「GL2021改訂2023(以下,GL改訂2023)」3)が同じく日本脳卒中学会から発行された.GL2021と同様にGL改訂2023においても,第7章として「亜急性期以後のリハビリテーション診療」が詳説されている.本稿では,これら2つの指針・ガイドラインの要点をまとめたうえで,脳卒中リハビリテーションに関する今後の課題にまで言及する.
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