Japanese
English
症例報告
多数指中手骨骨折術後の総指伸筋腱癒着に対するフロッシング介入効果を示した1例
A case showing the effect of flossing intervention on common finger extensor digitorum communis tendon adhesion after multiple finger metacarpal fracture surgery
青木 啓一郎
1
,
池田 純
2
,
松居 恵美
2
,
佐々木 秀一
3
,
志水 宏行
1
Keiichiro Aoki
1
,
Jun Ikeda
2
,
Megumi Matsui
2
,
Shuichi Sasaki
3
,
Hiroyuki Shimizu
1
1昭和大学保健医療学部作業療法学科
2とごし整形外科&手のクリニック
3北里大学病院リハビリテーション部
1Department of Occupational Therapy, School of Nursing and Rehabilitation Sciences, Showa University
2Togoshi Orthopedic & Hand Clinic
3Department of Rehabilitation, Kitasato University Hospital
キーワード:
中手骨骨折
,
腱
,
癒着
,
超音波
,
フロッシング
Keyword:
中手骨骨折
,
腱
,
癒着
,
超音波
,
フロッシング
pp.767-771
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202878
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要旨 [はじめに]多数指中手骨骨折術後の総指伸筋腱(extensor digitorum communis:EDC)癒着のあった患者にフロッシング介入をしたことで中手指節関節(metacarpo phalangeal:MP)自動関節可動域,%total active motion(TAM)の改善を認め仕事復帰に至った症例について報告する.[症例]20歳台男性,診断名は左第2〜4中手骨骨折であり,術後3週より作業療法を開始した.介入時,示指・中指・環指において著明なMP屈曲制限を認めた.[経過]前期(術後3〜6週)では,MPを中心とした関節可動域訓練や腱滑走訓練を実施した.後期(術後7〜10週)では,前期の訓練に加えフロスバンドによるフロッシング介入を追加した.最終的にはMP自動関節可動域,%TAMともに改善し,超音波所見においてもEDC滑走による近位のEDC周辺組織の引き攣れが観察されなくなった.[考察]今回,フロッシングを行うことでEDC癒着部から剝離され,周辺組織の柔軟性や滑走性が向上し関節可動域改善につながったと考えられた.
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