特集 あらためて見直すジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオの現状とワクチン
5.ポリオの現状とIPVの必要性
飯島 真紀子
1
1WHO(世界保健機関)ベトナム国事務所予防接種担当技官
キーワード:
ポリオ
,
世界ポリオ根絶イニシアティブ
,
不活化ポリオワクチン
,
急性弛緩性麻痺
,
世界保健機関
Keyword:
ポリオ
,
世界ポリオ根絶イニシアティブ
,
不活化ポリオワクチン
,
急性弛緩性麻痺
,
世界保健機関
pp.1153-1160
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000979
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ポリオ根絶計画開始から30年経った今も,ポリオは依然公衆衛生上の大きな問題として残されている.この10年間でインドがポリオフリーとなったこと,3価から2価の経口ポリオワクチンに切り替え不活化ワクチンを導入したことは根絶に向けた大きな一歩であった.だが,根絶のためには今後も残る3つの蔓延国への対策強化,不活化ワクチンを軸としたワクチン政策立案,ウイルスが輸入された場合の伝播防止対策,根絶証明のためのサーベイランス整備と強化など,残された課題を明確にし,着実に実施する必要がある.日本では患者を診ることがなくなって久しいが,対岸の火事と思わずに臨床医一人ひとりがポリオを疑う用意をしておくことが世界のポリオ根絶に向けて重要である.
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