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はじめに
2000年4月に認可された回復期リハビリテーション病棟が充実したリハビリテーション医療の基盤となる存在になったことは,もはや言うまでもない明らかな事項である.そして20年以上の時を経て,2022年度診療報酬改定により「急性心筋梗塞,狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態」が回復期リハビリテーション病棟に入院する状態として新たに加わった.運動器疾患や脳血管疾患などが中心となる回復期リハビリテーション病棟の対象疾患に循環器疾患が明確に認められるに至るまで,心臓リハビリテーションの先駆者の先生方や回復期リハビリテーション医療の関係者のさまざまな努力があったかと想像する.
回復期リハビリテーション病棟での心臓リハビリテーションに関する取り組みの実践1)や急性期病棟と回復期心臓リハビリテーションの連携2)などは以前より理学療法士から報告されていたが,2022年度に入り循環器疾患のリハビリテーションや回復期リハビリテーションの特集にも回復期心臓リハビリテーションの報告3,4)が増えている.一方で,新しいガイドラインの解説に「回復期心臓リハビリテーションの普及の問題」が記載され,心臓リハビリテーションへの参加を妨げる要因として「担当医が心臓リハビリテーショへの参加を勧めない」が挙げられている5).急性期・回復期にかかわらず,担当医(主治医)の心臓リハビリテーションへの考え方が鍵になると思われる.
筆者は1995年大学卒業後すぐにリハビリテーション科医の歩みをスタートしたが,研修医時代から循環器疾患や運動負荷の概念と携わる機会を得て,リハビリテーション科専門医取得後に本格的な心臓リハビリテーションを学び,現在まで臨床医を続けてきた.今回はその時代変遷や経験を振り返りつつ,今後リハビリテーション科医が回復期リハビリテーション病棟で心臓リハビリテーションを行うポイントをまとめてみたい.
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