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特集 リハビリテーション医療におけるフレイル対策の実際
7 慢性呼吸器疾患のフレイル
Frailty in Chronic Respiratory Disease
植木 純
1
,
野村 菜摘
1
Jun Ueki
1
,
Natsumi Nomura
1
1順天堂大学大学院医療看護学研究科臨床病態学分野呼吸器系
キーワード:
COPD
,
フレイル
,
呼吸サルコペニア
,
呼吸リハビリテーション
,
セルフマネジメント支援
Keyword:
COPD
,
フレイル
,
呼吸サルコペニア
,
呼吸リハビリテーション
,
セルフマネジメント支援
pp.880-884
発行日 2023年10月18日
Published Date 2023/10/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 2023年5月に公表された「健康日本21(第三次)」では,COPDの死亡率の減少が新たな目標として掲げられた.フレイルはCOPDの死亡,心血管イベント,入院,入院を要する増悪,プライマリケアを受診する増悪のリスクを増大させる病態である.COPDのプレフレイルやフレイルは進行性で,フレイルからの回復が低い可能性がある.また,COPDでは,呼吸筋力低下と呼吸筋量減少を示す呼吸サルコペニアが全身性サルコペニアとともに併存する場合がある.COPDの死亡率の減少を達成するためには,フレイルおよびサルコペニアの早期発見,介入が重要である.呼吸リハビリテーションは有益性のエビデンスが確立された治療介入である.フレイルの存在は増悪や入院による呼吸リハビリテーションからの脱落のリスクとなるが,プログラムを完了すると,MRCスコア,運動耐容能,身体活動性,QOLの改善効果が認められ,半数以上がフレイルから脱することが報告されている.導入後も評価に応じた呼吸リハビリテーションによるシームレスな介入や,健康の維持・増進や増悪予防のためのセルフマネジメント行動が継続できるようにセルフマネジメント教育をコアとして,調整,意思決定,システム構築,専門職育成を柱とする統合されたセルフマネジメント支援を行うことも重要である.
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