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背景
心臓リハビリテーションについては循環器各種疾患への改善効果が報告されており,虚血性心疾患および心不全にて入院イベントの低減,運動耐容能を含めた自覚症状,生活の質quality of life(QOL)の改善について確立している1).また弁手術後など心臓手術後,心臓移植後についても適応とされており,心臓疾患の急性期から慢性期にわたるまで各時期によってそれぞれ違った役割をもっている2).心臓疾患の急性増悪期は入院を含めた集中治療が行われていることが多く,この時期の心臓リハビリテーションの役割としては速やかな離床と状態に合わせた安静度のレベルのアップにある.ただ状態がある程度安定化されてきたのちに心臓リハビリテーションは回復期に移り,その役割は心臓疾患によって障害された運動耐容能低下の改善,再発予防のための患者教育の二軸よりなる.回復期リハビリテーション入院中の前回復期と退院直後の後回復期に分けられ,本邦では起算日から150日間,保険での心臓リハビリテーション提供が可能であり,この期間はほぼ回復期に対応する.
この心疾患に対する心臓リハビリテーションは運動療法を軸とし,服薬指導,食事指導,カウンセリングなど多様な面からなる多職種による総合的な介入になる.この医療が提供される場として一般的なのは退院後の心臓リハビリテーション施設にて行われる集合型の心臓リハビリテーションになり,決められた時間に多人数の患者が通院する形を通して行われる.しかしながら,この介入には大きな問題があり,それが導入率の低さである.その原因として外来心臓リハビリテーションは提供可能な医療施設は限られるという医療者サイドの問題と,あるいは対象者が集合型の場所に決まった時間に通院するのが困難であるなど患者サイドの問題がある3)(図1).
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