神経発達症のスクリーニング

Screening for neurodevelopmental disorders

　2012年の文部科学省による実態調査で，小中学校の通常学級に在籍する児童の6.5％（男子に限れば9.3％）に発達障害の可能性が示唆された^1）．当時はその報告人数の多さがセンセーショナルな話題となったが，この10年で発達障害は神経発達症と呼ばれるようになり，その臨床についても大きく変容した．

　そもそも1980年以前は，学校における支援の対象は肢体不自由児と知的障害児に限られていたが，1980年代になると知的障害のない，あるいは軽い「軽度発達障害」児へと支援の対象が広がり，1990年代には「発達障害」という概念が確立された．