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実践講座 ケースレポート:神経筋疾患の在宅リハビリテーション・1【新連載】
筋萎縮性側索硬化症
Home-based rehabilitation for persons with neuromuscular disease: amyotrophic lateral sclerosis
堀田 富士子
1
Fujiko Hotta
1
1東京都リハビリテーション病院医療福祉連携室
1Department of Health Welfare and Relations, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
環境設定
,
社会資源
,
意思決定支援
,
チームづくり
Keyword:
環境設定
,
社会資源
,
意思決定支援
,
チームづくり
pp.275-284
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202452
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筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は発症から死亡,あるいは気管切開呼吸まで4年程度1)とされる代表的な神経難病である.病初期の運動療法についてはおおむね有効2,3)で,中等度の抵抗運動や有酸素運動は身体機能低下を抑制するとの報告もある.転倒のリスクがある場合,あるいは徒手筋力テストで3未満の筋では運動を避け,全身運動も運動後30分以上持続する疲労や疼痛をもたらすような高強度の抵抗運動は注意を要する4).
ALS患者で在宅リハビリテーションが中心になるのは,移動障害の増悪が契機となることが多く,それがそれぞれの症例におけるケアの転換期と考える.また難病のなかでも筋力低下や呼吸障害だけでなく,コミュニケーション障害や嚥下障害など,多層的な障害5)を比較的短期間で来し終末期を迎える.そのようなALSに対して,現実的なケアプランのもと,リハビリテーション専門職は医療介護福祉関連の他の職種と協力しつつ効率よくサービスを提供できるよう計らう6)必要がある.なかでも生命に直結する呼吸不全については,選択する管理の方法によってその予後は大きく異なる.本邦では全体の30〜40%7)で気管切開・長期呼吸器の使用を認めており,海外と比較するとその率は高く,呼吸器使用での療養方法を症例ごとに検討しているのが実情である.
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