膝前十字靱帯再建術後のジャンプ着地動作における膝関節屈曲角度の変化と膝関節屈曲・伸展筋力との関係

Relationship between change of the angle of knee joint flexion in jump landing and the knee extension and flexion muscular force in subjects with anterior cruciate ligament reconstruction

要旨　［背景］膝前十字靱帯（anterior cruciate ligament：ACL）再建術後におけるジャンプ着地の再損傷予防として，着地後の膝関節屈曲角度を大きくすることが重要である．また，着地動作での下肢関節運動に膝関節屈曲・伸展筋力が重要と報告されている．そこで，ジャンプ着地動作における膝関節屈曲角度の変化量と膝関節屈曲・伸展筋力の関係を検討した．［対象］ACL再建術後患者62例，年齢は19.9±4.7歳，ACL再建術後から最終観察時までの期間は1.3±0.4年であった．［方法］測定時期は最終観察時とした．着地動作における膝関節屈曲角度の変化量は，三次元動作解析装置Vicon MXを用いて術側の片脚着地動作を測定し，接地時と床反力成分最大時での膝関節屈曲角度の差を算出した．また，膝関節屈曲・伸展筋力は，等速性膝関節屈曲・伸展筋力測定装置CYBEX NORM^®を用いて膝関節屈曲・伸展筋力の最大値を求め，体重比を算出した．そして，着地動作における膝関節屈曲角度の変化量と膝関節屈曲・伸展筋力の体重比との相関係数を求めた．［結果］着地における膝関節屈曲角度の変化量と膝関節伸展筋力体重比に正の相関があった．［結語］着地動作における再損傷予防として，膝関節伸展筋力が重要である．