Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
モンテーニュの『エセー』—ペストの大流行
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.202
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202433
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16世紀末に発表されたモンテーニュの『エセー』(原二郎訳,岩波書店)の第3巻第12章「人相について」には,1585年にボルドー一帯を襲ったペストの惨禍が描かれている.
当時ボルドーの市長だったモンテーニュは,「私は家の内外に,他のどこよりも激しいペストに見舞われた」として,ボルドーにおけるペスト流行の様相を,「私の地方の空気はきわめて健康で,どんなに近くに発生した伝染病も一度も足を踏み入れたことがなかっただけに,いったん毒されたとなると,異常な事態を生み出した」と記している.
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