資料及論述
「鼠の町」;ペストと戰う
James G. Chesnutt
pp.93-96
発行日 1947年7月25日
Published Date 1947/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200158
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病院の育兒室のようにきれいで,すべてが純白のしみ一つない研究室で人類に對する偉大な恩惠が生みだされ育てられている。それは長い間人類最惡の災禍の一つであつたペストに對する特殊な豫防法である。このペストこそ腺ペスト,肺ペスト,敗血症性ペスト等いろいろな型で起るかの恐るべき「黑死病」である。
動物におけるこの化學的豫防法の効果は,他に例をみない「鼠の町」を實驗に用いることによつて決定的に,かつまた鮮かに證明せられた。この實驗を指導したのは,アメリカの著名な研究家California大學のHooper醫學研究所長Karl F. Meyer博士である。そしてこの化學豫防劑サルフアダイアジンは,すでに支那において人ペストの豫防に使用せられてゐる。
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