Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「日高線と生きる」—廃線になっても<どっこい生きている>のだ
二通 諭
1,2
1札幌学院大学
2札幌大谷大学
pp.203
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202434
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北海道の苫小牧から様似を結ぶ146.5キロの日高線は,2015年1月に発生した高波被害による土砂流出の後,全線の8割を占める鵡川駅以東が復旧されず,2021年4月をもって廃線となった.
ドキュメンタリー「日高線と生きる」(監督/稲塚秀孝)は,日高線の歴史を刻印する作品として貴重なのだが,それにとどまるものではない.日高線の,その先にある襟裳は,かつて,「何もない」と歌われた地だが,それは,大切な何かが「ある」ということを暗に仄めかしていた表現技法でもあり,本作は,それを可視化したともいえる.
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