天地人
モンテーニュの旅
京
pp.1807
発行日 1980年11月10日
Published Date 1980/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216773
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最近読んで面白かったのは,田中重弘著「女の世紀を旅した男」(北洋社,1980)という本です.「ルネサンス・ヨーロッパ見聞」の副題が示すとおり,〈女の世紀〉というのは欧州16世紀のことであり,これを〈旅した男〉はかの有名な思想家モンテーニュその人です.名著「随想録」の著者に「イタリア紀行」なる旅日記のあることは知っていましたが,もちろん読んだてことはありませんでした.田中氏の興味深い,しかも秀れた紹介のおかげで,早速ガリマール版のモンテーニュ全集(一冊本)を買い込み,「随想録」の方は敬遠しながら「旅日記」の拾い読みをはじめたところです.
田中氏はモンテーニュの旅行の道をフランス,スイス,ドイツ,オーストリア,イタリァと追跡されましたが,じつは私もルネサンスの錬金術医師として名高いパラケルススの遍歴の跡を「巡礼」してみたことがあります.2年前の夏のことでした.
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