Sweer Spot 文学に見るリハビリテーション
脳卒中患者としての島崎藤村—書簡にみる回復過程
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.1120
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202090
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大正12年は島崎藤村が「脳溢血」に倒れた年である.この年の正月3日,数えで52歳になったばかりの藤村は,東京・飯倉片町の自宅で脳卒中の発作に襲われたのである.
しかし,『藤村全集第17巻』(筑摩書房)によれば,藤村は脳卒中発作から1か月余りたった2月7日,信州・馬籠の原一平に宛てた書簡に,「先頃はわざわざ御見まい下さいまして御厚志辱く,おかげにて医師より短き入浴を試みよと勧めらるるほどの快方に向いました」と書いている.
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