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特集 ハイリスク児とリハビリテーション
NICUにおける新生児のリハビリテーション
Newborn rehabilitation in NICU
井上 彩
1
Aya Inoue
1
1国立成育医療研究センターリハビリテーション科
1Division of Rehabilitation, National Center for Child Health and Development
キーワード:
早期介入
,
フォローアップ
,
親子相互作用
Keyword:
早期介入
,
フォローアップ
,
親子相互作用
pp.1047-1052
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202075
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はじめに
ハイリスク児とは,発育・発達過程において何らかの問題が生じる可能性があり,経過観察や必要に応じた発達支援が必要になる児のことをさすとされている.近年,わが国における出生数は減少しているが,周産期および新生児医療の進歩に伴う救命率の上昇により,ハイリスク児の数は増加している.その生命予後の良さは世界最高水準で,超低出生体重児の80%以上が生存可能1)となっている一方,脳性麻痺以外に神経発達症や限局性学習症も高頻度に生ずることも明らかとなっている.それらの問題は成長とともに顕在化し,発生そのものを防ぐことは容易ではないが,早期から介入を開始し長期にフォローアップすることで,障害の程度を軽減できるといわれている1).
国立成育医療研究センター(以下,当センター)は,リスクの高い母体や胎児,新生児に対する高度な医療を提供している総合周産期母子医療センターである.新生児集中治療室(neonatal intensive care unit;NICU),growing care unit(GCU)合わせて39床を有しており,早産・低出生体重児をはじめとして,人工呼吸管理や各種の外科手術が必要な児など,年間約370件の入院がある(表1)2).そのほかにも,低酸素性虚血性脳症,脊髄髄膜瘤,染色体異常など,さまざまなハイリスク新生児が入室し集中治療・管理が行われるなかで,早期からのリハビリテーション介入も行っている(図1).NICU入院中から外来,在宅や地域へのリハビリテーション移行を含めた当センターの取り組みを紹介する.
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